なぜなら、画質の低下の恐れがあるからです。
↑加工前(ほんとはちょっといじったけど)の写真のヒストグラム。
ヒストグラムの黒山の裾野が0〜255の間に収まっています。
(白くとんだり、黒くつぶれたりしていないということ)
解りやすいように、この写真を、明るさ・コントラストで明るさを+50してみます。
すると…
黒山が右に移動して、255から大きくはみ出てしまった感じになりました。一番右の高い山が丸々無くなってしまいました。その分は全部255(真っ白)になってしまったのです。
拡大して見ると、
右の加工前の写真ではちゃんと階調があったのに、真っ白になってしまいました。これでは後でどんなに暗く補正しても、無くなった階調は出てきません。
今度は元の写真の明るさを−50してみましょう。
山の左のしっぽが切れちゃいました。0(真っ黒)になってしまいました。
明るさ・コントラストの変わりに、トーンカーブでやってみます。
128のところをつかんで、+50、178のところに移動させました。
見た目は明るさ・コントラストで明るさを+50したのとぱっと見は似た感じになりました。ヒストグラムに注目です。黒山は右へ移動していますが、はみ出してはいません。階調が残っているということです。
トーンカーブで128を−50した場合も同じです。
見た目は近いですが、つぶれることはありません。
ここでは省略しますが、明るさ・コントラストでコントラストをいじった場合は、ヒストグラムの黒山が両サイドに広がったり縮まったりします。
トーンカーブで明るさ・コントラストの補正を再現すると、こんな感じになります。
明るさ
コントラスト
トーンカーブで、線が天井や下にべったりとついてしまうということは、とんだりつぶれたりしてしまうということで、最も避けなくてはならないことです。
明るさ・コントラストはトーンカーブで線を直線のままいじるということなので、天井や下にべったりとついてしまうのです。
なので、明るさ・コントラストは絶対に使わないで下さいということなのです。
でも、とばしたりつぶしたりしたいという場合は使ってもいいのですが、それもレベル補正やトーンカーブを使った方が、どこまでとばすかなどが解るので、あくまでも簡易的にということになります。
まあ、使わなければいいでしょう。トーンカーブを使いましょう。
※追記 CS3では、この「明るさ・コントラスト」が、かなり改善され、白とびや黒つぶれが起きないようになりました。
「従来方式を使用」にチェックを入れると、CS2以前と同じアルゴリズムになります。
トーンカーブが苦手は人は、「明るさ・コントラスト」を使ってもいいかもしれませんね。