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容量と保存形式(可逆圧縮、非可逆圧縮)

 可逆圧縮や、非可逆圧縮という言葉を聞いたことの無い人も多いと思います。
でも、「○○バイト」は聞いたことありますよね?
 キロバイト(KB)や、メガバイト(MB)は、ご存知データ量の大きさを表す単位です。
「メールに添付できるのは20MBまで」とかって、どこかで見たりしたことありますよね?
CD-Rのパッケージには650MBとか、700MBとかって書いてありますよね。
画像データも、当然デジタルデータですから、そのバイトの単位でデータ量を言い表すことができます。

 例えば、「じゃあ、デジカメの画像、1MBにして送って。」と、言われたとします。あなたならどうしますか?
これが、友人に写真を見せるためだけなら、画像をフォトショップで開いて、jpegで保存して、それが1MB以内になっていればいいでしょう。
では、あなたがカメラマンで、相手がデザイナーだったらどうでしょうか?本当にそれでいいのですか?

 実は、写真データは、どの時点の大きさ(バイト)を言うのかによって、実際の写真データのサイズが変わってしまいます。
jpegや、tiffで圧縮オプションを選択した場合などは、保存されたデータは、実際のデータ容量よりも少なくなります。それが圧縮なのですが、この圧縮率は一定ではありません。真っ白な画像データをjpegで保存すると、驚くほど保存データの容量は小さくなります。逆にカラフルで、細かい絵柄のものは、それほど小さくはならないのです。

細かい絵柄の画像データ
あじさいの写真です。絵柄としては細かいです。フォトショップで開いたとき、5.72MBです。

単純な絵柄の画像データ
こらは建物と曇り空の写真。とても単純な絵柄です。これも5.72MBです。同じデジカメで撮ったので、当然同じです。フォトショップで開いた時は、圧縮されていない、そのデータの実際の容量を表示しています。

それを、それぞれ、PSD形式(圧縮無し)で保存、TIFF形式(LZW圧縮)で保存、JPEG(圧縮率12)で保存、してみました。

画像データの保存サイズ

 PSD形式はどちらも5.7MBに近い容量になっています。TIFF形式のLZW圧縮では、1MB以上も単純な絵柄の方が軽いですね。TIFFの圧縮には、LZWや、ZIP、JPEGがあります。LZWやZIPは、可逆圧縮といって、圧縮しても、また元通りに戻るものです。
 インターネットからデータをダウンロードすると、ZIP形式で保存されていたりしますよね?でも解凍したら、ちゃんと普通のデータに戻ります。これは、大きなデータを圧縮して小さくすることで、サーバーの容量や、通信にかかる時間などを節約するためのものです。
 一方、JPEGの圧縮は非可逆圧縮と言って、元のデータを圧縮しやすいようにいじってしまいます。簡単に言うと、似た色は同じにしたり、細かいディティールを塗りつぶしちゃったりしています。圧縮率を高く(0に近く)すればするほど、オリジナルから遠くなりますが、保存したときの容量は軽くなります。圧縮率を低く(12に近く)すれば、肉眼ではオリジナルからの変化が分からないくらいになりますが、容量はあまり軽くなりません。それでもTIFF形式の可逆圧縮に比べると、JPEGの圧縮によるデータ容量の減少は大きいです。

 同じデジカメで撮ったデータでも、jpegなどで保存されたデータを並べてみると、保存されたデータの容量が一定じゃないのに気がついた方も多いと思います。そう、絵柄によって圧縮のされ具合が違うためですね。

便利なJPEGですが、何度もJPEGで圧縮を繰り返していると、どんどんと画像が劣化してしまうので注意して下さい。

さて、「デジカメの画像、1MBにして送って。」と言われた場合ですが、フォトショップで開いた時に1MBなのか、それとも保存したデータの容量が1MBくらいならいいのか、きちんと聞かないと判断はできないというのが正解です。

今回はデータの容量からの画像の大きさについてお話しましたが、次回はデータのサイズから画像の大きさについてお話したいと思います。
「じゃあその画像10cmくらいにしておいて」と言われたらどうしますか??


画像解像度とサイズ(そのphotoshopのデータ何センチ?)

前回はPhotoshop画像データの容量(重さ)についてお話しましたが、今回はデータの大きさ(サイズ)についてお話します。

ピクセル拡大

Photoshopのデータは、どんどん拡大してみると、色々な色をした四角が並んでいるのが見えます。これをピクセル(pixel)と言います。いわゆる画素のことです。良く聞く600万画素のカメラというのは、撮影すると、ピクセルが600万個あるデータができるということです。縦2000ピクセル×横3000ピクセル=6000000ですね。6.0メガピクセルとかも言いますね。
photoshopなどの画像データのサイズは、このピクセルで言い表すことができます。600万画素のデジカメのデータなら、長辺3000pixelという具合です。
じゃあ、3000pixelって結局何センチなの?と思う人もいるかもしれませんが、これは一概には言えません。ピクセルは、最小の点であって、それ自体には決まった大きさは無いのです。

メニューの「イメージ」から、「画像解像度」を見てみましょう。

画像解像度

ピクセル数と、ドキュメントのサイズとが別々に表示されています。ピクセル数がサイズのことじゃないの?と混乱してしまいそうですが、実はサイズをセンチなどで言い表すこともできるのです。
決まった大きさを持たないピクセルの集まりに、サイズを当てはめる為には、一つの指標が必要です。それが「解像度」です。72pixel/inch(ピクセルパーインチ)となっていますね。pixel/inchとは、インチ分のピクセル。つまり1インチ当たりにピクセルをいくつ入れるかを表しています。ppi(ピーピーアイ)と略して言ったり、dot/inch(ドットパーインチ、略してdpi(ディーピーアイ))と言ったりします。dotはpixelと同じ意味です。dpiと言う人が最も多いと思います。インクジェットプリンタではdotと言うので、一般的になったのだと思います。2880dpiとか言いますよね。

画像の再サンプルのチェックを外して、解像度にいろいろな数値を入れてみましょう。

画像解像度(3000dpi)

3000と入れると、2.54cmになりました。2.54cm=1inchです。

画像解像度(1inch)

3000÷1=3000ということですね。当然1500dpiならサイズは2inchに、1000dpiなら3inchになります。
3000ピクセルのデータが、1inchになったり2inchになったり3inchになったりしました。そうです、解像度を変えればサイズも変わってくるのですね。同じピクセル数でも、ありとあらゆるサイズに当てはめられるのです。逆に言うと、例えば同じ10センチであっても、当てはめられるピクセル数は無限です。
「その画像10センチにしといてよ。」と言われても、解像度をいくつにすればいいのかを解っていなければ、パターンは無限なのです。

画像解像度(10cm)

どちらも約10センチですが、左は787ピクセル、右は1416ピクセルと、全然データ量が違いますね。

では、解像度は、いくつにすればいいのか。これは、普段は気にしないで構いません。何dpiになっていようが、1000pixelは1000pixelなのです。
ではいつ気にしたらいいのか。私たちが最も気にするのはプリントする時です。エプソンのプリンタは、2880dpiのものが多いです。割り切れる360dpiや180dpiでデータを作るのがいいと言われています。キヤノンは300dpi、150dpiと言われています。
あと、雑誌などの印刷用のデータは昔から350dpiとされています。印刷機が175線(1インチに175本の線を引ける)なので、まあ倍がちょうどいいんじゃない?という理由です。
WEB用のデータは、昔からモニタが72dpiだったので、72dpiにしたりしますが、これはいくつに指定していても、実際に表示するモニタの解像度で表示されるので、ピクセル数を決めれば、わざわざ72dpiにしなくても構わないと思います。

まとめると、画像データはピクセルで出来ている、そして解像度によってサイズは変動する。ちょっとややこしいのですが、これを理解すると、サイズについてのミスは無くなります。